何でお前がそこにいる

2004年 クリスマス
 何故か七天星ではなく、七逆星。まぁ七天星だと平和すぎますからね。(蹴) 怒嵐漣飛威だけちょっとキャラの大きさで失敗したので、別に描いてからこの絵に貼り付けてます。あ、あくまでパソコン上での編集なんで、あとはありませんけど。オマケ小説も一緒にどうぞ。
2004/12/12
〜逆星たちのクリスマス〜

「策羅【サーキュラ】、志士皇【シシオウ】知らんか?」
 クリスマスツリー用の電飾を箱から取り出しながら、斧零駆【ブレイク】が言った。
「志士皇ですか? 確か先ほどツリー用の飾りを取りに行ったと思ったのですが……もしかしてまだ戻って来てないんですか?」
「俺は見てねェ。」
「では遅いですね……忍者だから早く帰ってこれるとふんでいたのですが…」
「そういうものか…?」
「そんなことより、早くそれをツリーにつけてしまってくれませんか? ほら、怒嵐【ドラン】のほうはどんどん飾り付けをしているじゃありませんか。」
「…分かった…」
 斧零駆は策羅の返答に首をかしげたが、とりあえずは自分の作業を再開した。一方怒嵐は持ち前の飛行能力を生かし、ツリーの高いところから飾り付けをしていた。
「…よしっ、この玉はあと三つだな。コレが終わったら次はてっぺんの星でも…」
「……」
「あぁ、やってくれたのか。ありがとう。」
 怒嵐は自分の作業を手伝ってくれている者がいるのに気が付くと、礼を言ってからすぐに自分の作業に集中した。
「コレが噂に聞くシャンパンか……どれ、ちょっと味見…」
「勝手に開けるな阿呆。」
 コッ
 こっそりとシャンパンの栓に手をかけた雷殺駆【ライザック】は、そう言った魁斬【カイザー】に剣で軽く叩かれた。
「うわ危ねェ! 何で刃で叩くんだよ!!」
「一度開けたら、フタが飛ばせないだろうが。」
「え、飛ぶのコレ?」
「そうらしい、策羅が言っていたぞ。とにかく開けんな。」
 魁斬は雷殺駆に念を押すと、刀を鞘にしまった。
「…ところで、さっきからどこからか変な声が聞える気がするんだが…」
「変な声?」
 魁斬がそう言ったので、雷殺駆はあたりを見回した。
「…俺は聞えねーと思うけど……むこうにも聞いてみっか。策羅ー、斧零駆ー、怒嵐ー! 魁斬が何か変な声が聞えるっつってんだけど、聞えるかー?」
「変な声?」
 雷殺駆の声を聞き、策羅・斧零駆・怒嵐が振り返った。
「…どうだろう? 別に気になるようなことは…」
「…せっ…」
 策羅らが返事をしかけたとき、彼らの耳に、かすかだが何者かの声が聞こえた。
「な、何だ!?」
「…れか……せ…」
 すごくこもった声が、彼ら五人には確認できた。そして耳をすましてその声の元を探っていると、妙に大きな箱を持って立っている災呼【サイコ】の姿が彼らの目に止まった。
「…災呼、あなた一体何を持っているんです? まぁあなたには雰囲気作りのためにプレゼントの箱でも飾ってくれと頼みましたが…」
「さ、策羅ッ!」
 策羅が災呼に質問をしていると、怒嵐がそう言いながら、震える手で災呼の箱を指差した。
「ん? 何か…?」
「…箱から何か出ているようだが…」
「あ…その、箱から飛び出してる赤い刃物…もしかしてっ…」
 魁斬が気付いた赤い刃物、それに彼ら五人は見覚えがあった。
「しっ…志士皇の腕についてたヤツ!?」
「じゃあもしかしてその中にッ…!!!」
「災呼―――ッ!! 今すぐその箱開けろおぉぉ!!!」
 災呼が箱を床に下ろして開けようとしたが、それより早く、魁斬が箱を剣で斬り裂いた。すると中からは、大声の出しすぎで息を切らしたらしい志士皇が出てきた。
「志士皇、あなたなかなか帰ってこないと思ったら、何を遊んでいるのです?」
「遊んでねェ!!!」
 声をかけてきた策羅にむかって志士皇は怒鳴った。
「人がツリー用の飾り取って帰ってきたら、いきなり災呼の奴が箱詰めにしやがってッ……ワケがわかんねぇよ!!!」
 志士皇はそう言うと、災呼にむかってツリーの飾りを投げつけた。
「おおかた、せっかく箱があるからプレゼントを詰めてみようと思ったんだろうよ。」
 箱の残骸を片付けながら魁斬が言った。
「迷惑な……こんなものもらったって誰も喜ばな」
「雷殺駆、テメェも箱詰め味わってみるか?」
 志士皇がそう言って刀を向けると、雷殺駆は絶句した。
「はいはい、とりあえずこの件については後日当事者同士で何とかしてもらうとして、今はクリスマスの準備の方を済ませてしまいましょう。」
 策羅はパンパンと手を叩きながら、皆に言った。
「それもそうだな。」
 策羅に言われ、七逆星たちは改めてクリスマスの準備を始めた。
「…って待って、背が高い災呼はそこで箱持ってたのに、他に誰が私のこの高所作業を手伝ってくれてるって?」
 ツリーの飾り付けを再開しようとした怒嵐が、ふと気がついて言った。
「え? 一人でやってたんじゃないのか?」
「いや、さっきツリーのてっぺんの星を……」
 そう言って怒嵐はツリーの上のほうを見上げた。他の七逆星たちも怒嵐と同じように上を見上げた。そして、全員がとんでもない“モノ”に気付いた。
「うっ…うわああぁぁぁぁッ!? げ…逆星暗黒神【ゲキセイアンコクシン】――――ッ!?!?!?」
 彼らの視線の先、そこには、巨大な体から伸びた腕(触手?)を器用に使い、一人黙々とツリーの飾り付けをしている逆星暗黒神がいた。

 ところで今彼らは、一体どういう理由でクリスマスの準備をしているかというと、実は当人たちも全く分からない……。
…おしまい。

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